南倉
 
-  601 白銅柄香炉(南52)
  柄に錦を張り、黄と黒の組み紐を巻き、柄頭には獅子がついている。つまみと炉は新造。
 -  602 赤銅柄香炉(南52)
  柄に錦を張り、組み紐を巻くこと同前、柄頭、つまみと炉は新造。
 -  603 赤銅柄香炉(南52)
 -  604 白銅柄香炉(南52)
  柄頭、つまみと炉みな新造品。付属の漆箱の蓋裏に「神亀6年7月6日」の刻銘がある。
 -  605 紫檀金鈿柄香炉(南52)
 紫檀の炉盤と柄の側面は金銀の花鳥文をはめ込み、瑠璃玉で飾ってある。支柱は新造。
 -  606金銀花盤(南18)
六角形で中央に鹿形を打ち出し、縁に雑玉金銅の垂玉をつける。背に「東大寺花盤 重大六斤八両」及び「宇宇号二尺盤一面 重一百五両四シュ半」の刻銘、また表に「四斤」の墨書がある。脚は新造。
 -  607密陀繪盆十七枚(南39)
 
 
 
  粉地に黄土で山水花鳥人物を描き、裏は漆地花形文。
 
 -  608銀平脱八角鏡箱(南71)
 八花形で、蓋表は銀平脱の鳳凰寶相華文。銀の帖角が打ってある。
 -  609銀平脱鏡箱(南71)
 外形は丸く、内側は八稜形で、底裏にも銀平脱がある。
 -  610漆皮金銀繪八角鏡箱(南71)
 底裏にも金銀花鳥の繪がある。
 -  611漆皮八角鏡箱(南71)
 612金銀繪鏡箱(南71)
  蓋表は花鳥、その裏は山水のの繪、蓋と身が合わない。
 -  613金銀花形合子 2合(南19)
  一合の身は新造品。
 -  614刻彫梧桐金銀花形合子二合(南36)
 一合の底に「戒壇堂」と墨書。脚は新造。一合は身新造。
 -  615同残欠(南36)
蓋と身、各1、身の底に「戒壇」と墨書。
 -  616	朴木粉繪高杯(南38)
 -  617漆瓶龕(南26)
題箋があるが読めない。瓶は逸した。
 -  618佐波理水瓶 二口(南25)
 一口は人面の注口。佐波理は銅・鉛・錫の合金で響銅という。
 -  619金銅水瓶(南24)
注口は鳥首。
 -  620漆香盆(南41)
裏に「香水」と墨書し、また「図書寮」の刻銘がある。
 -  621金銅剪子(南33)
 -  622金銀匙(南43)
柄頭の裏に「重大三両」の刻銘がある。
 -  623佐波理匙(南44)
 -  624金銅小盤(南22)
 扁円十二曲形で、内外に魚子地を打ち、花文を刻んでいる。
 -  625金銅六曲花形杯(南21)
魚子地に奏楽の図が毛彫してある。
 -  626花籠 五百六十五口(南42)
花筺、花?とも書き、仏事に用いて、花を盛る。深形と浅形とあり、「中宮(文武天皇夫人宮子)斎会花はこ 天平勝寶七歳七月十九日 東大寺」また「天平勝寶九歳五月二日 東大寺」と墨書のあるものがある。前者は聖武天皇母后の後者は聖武天皇御一周忌使用のものである。
 -  627磁鉢 二十五口(南9)
 -  628佐波理匙 三百四十五枚(南45)
 -  629佐波理皿六百九十七枚(南46)
 -  630佐波理加盤 四百二十六口(南47)
 食器で碗をいれこに重ねて盤を蓋にする。十重、九重などの別がある。
 -  631包丁 十枚(南48)
 -  632貝匙  六束(南49)
 -  633磁瓶 (南7)
 -  634磁皿 二十九口(南8)
 -  635八角金銀盤 三枚(南14)
 八花形でそれぞれ「重大三斤三両」「重大三斤四両」「重大三斤八両」と刻銘がある。
 -  636漆金薄繪盤 一双 (南37)
底に「香印坐」と墨書、即ち香印を焚く仏具で、極彩色の蓮花座がある。
 -  637銀提子(南16)
白河天皇の時、麝香五両出蔵の代わりに納めたもの。
 -  638銀鉢 四口(南11)
各「重大五斤四両」「重大五斤六両」「重大四斤七両」と定量を刻み、座にも第一の分に「重大一斤七両」第二以下三口の分に「重大一斤八両」と定量が刻まれている。なお第一の座には墨書「南リョウ」。
 -  639銀鉢(南12)
  刻銘「重大五斤五両 延喜十四年十二月十一日 別當大法師智ガイ往時作入」。座は新造。
 -  640銀壷 一双(南13)
 面は魚子地に騎猟図。もと蓋があったが、蓋をいっした。一口に「東大寺銀壷 重大五十五斤 甲 蓋実並台重大七十四斤十二両 天平神護三年二月四日」座に「東大寺銀壷台 重大十二斤 甲」他の一口に「東大寺銀壷 重大五十二斤  蓋実並台重大七十斤十二両 天平神護三年二月四日」座に「東大寺銀壷台 重大十斤八両 乙」の刻銘がある。
 
南倉 西棚
-  641長八角銀盤(南15)
長八花、花形を彫り付く。底裏に「重大三斤二両」の刻文がある。
 -  642漆鉢 六口(南10)
 -  643金銅八角長杯 三口(南20)
 -  644金銅合子(南28)
 -  645赤銅合子 二合(南29)
 -  646赤銅合子 (南29)
塔形の蓋のある塔碗。次の647と648も同じ形式である。(南29)
 -  647黄銅合子(南30)
 -  648佐波理合子(南31)
 -  649銀合子 二合(南17)
一合蓋裏に「六両三分小」一合「六両二分小」と墨書がある。身はいずれも新造。
 -  650金銅六角盤(南23)
「東小塔」の墨書がある。
 -  651佐波理碗(南32)
 -  652三鈷 二枚(南53)
 三鈷金剛杵で一枚は白銅、一枚は鉄である。
 -  653柿繪シュ尾(南50)
シュは大鹿のことで群鹿が大鹿の動きを見て行くというところから、清談をなす者や仏家が、その尾を柄にすげ、これを執って人を導く標とした。本品は柄に牙荘を施してあるが、脱落があり、毛も大半失せている。
 -  654漆シュ尾箱(南50)
前号シュ尾の箱。
 -  655漆柄シュ尾(南50)
葡萄唐草の牙荘、剥落がある。毛全く存しない。
 -  656磁塔残欠 九枚 (南34)
 中に銅柱をとおしている。
 -  657白石塔残欠 二枚 (南35)
大理石の笠と基壇の二枚。柱のとおる小円穴があいている。
 -  658白銅頭錫杖(南64)
柄は鉄で丸形。次号も同様である。
 -  659白銅頭錫杖(南64)
 -  660鉄錫杖(南64)
 -  661金銅大合子 四合 (南27)
 -  662黄楊木仏座(南63)
金銅雑玉で飾る。残材を集めての補造である。
 -  663金銅柄シュ尾(南50)
金銅の柄には魚子地に花形を腺彫してある。毛はない。
 -  664	タイマイ柄シュ尾(南50)
柄頭は紫檀、タイマイ剥落多く、毛は僅かに残っている。
 -  665斑犀竹形如意(南51)
柄は竹根形、「東大寺」の刻銘がある。次号の箱を具する。
 -  666素木如意箱
「東大寺」の刻銘と「福安立奉如意」の墨書がある。
 -  667鯨鬚金銀繪如意(南51)
金銀泥で雲形が描いてある。次号の箱を具する。
 -  668黒柿蘇芳染金銀繪如意箱
金銀繪の花文、内面は金銀雲形、鈎具は金銅、床脚八。
 -  669斑犀鈿荘如意(南51)
黄金玉石の荘、紺玉の柄頭。柄に東大寺の刻銘がある。
 -  670漆如意箱
「東大寺」と刻銘。前号如意の箱である。
 -  671タイマイ竹形如意 二枚(南51)
 -  672犀角黄金鈿荘如意(南51)
 
 
柄頭は白犀七葉形、黄金珠玉刻牙で飾る。柄は紅牙と緑牙の撥鏤、木画、黄金の界。
  
 -  673犀角銀絵如意(南51)
犀角に銀絵の花鳥、柄はsitan、銀絵がある。
 -  674タイマイ如意 二枚(南51)
大きいほうの題箋に「タイマイ如意、自上所給下」
 -  675SITAN小架(南54)
牙で飾った鳥居形の小架で、両面に1双づつ牙の勾がある。床はタイマイ木画、牙脚がついている。
 -  676琥碧誦数 十五條(南55)
玉は百二枚乃至百二十四枚、大部分は水精を併用する。一條は真珠、水精の曲玉、瑪瑙管玉で飾り、亀甲形黒漆箱に納め、箱の題箋に「琥碧ヨウ□一條□□献物」とある。一條の題箋に「大會後物  人々献物」とある。一條に木牌があって、「橘夫人奉」の墨書があり、付属の柳箱の題箋に「琥碧ヨウ数一條會前献物」箱縁に「東大寺 會前」の墨書がある。
 -  677雑玉誦数 (南56)
水精二十九枚、琥碧3枚、瑠璃十四枚、題箋に「不知献者 會目」とある。
 -  677水精誦数 五條(南57)
四條は各百八枚、1條は残欠。
 -  679菩提子誦数 (南58)
百八枚、菩提子ではない。
 -  680誦数残欠 五條(南59)
一條は菩提子、一條は琥碧、一條は蓮実。
 -  681柳箱 (南60)
(683)に至る箱は以上の数珠を納める。
 -  682赤漆柳箱 (南61)
 -  683漆花形箱 十口 (南61)
 -  684タイマイ杖 二枚 (南65)
一枚は丁字形八角造、籐と樺で巻き、牙で飾る。一枚は丁字形竹形造、タイマイの蔓を巻く、石突は紺牙ばちる。
 -  685仮斑竹杖 (南65)
籐と樺で巻き、頭と尾は水精。
 -  686椿杖 二枚 (南61)
長さ五尺三寸二分、金銀彩絵で皮はだを描いた皮椿の卯杖である。中国から伝わって正月卯月に宮中で僻邪の杖を進める儀があったが、これに用いたもの。宝庫に伝わる三十脚机に「卯日御杖机 天平寶宇二年正月」とある墨書から、この杖の使用時が推されるであろう。
 -  685白銅頭錫杖(南64)
柄は鉄で丸形。次号も同様である。
 -  687ノウ御禮履 (南66)
 
 
 
御礼服の上に 御袈裟を召された時の御履で、緋皮造り、銀の花形に大小の真珠をはめ、黄金の押縫がある。聖武天皇の御召用と伝えるが、詳かでない。「第五櫃」と題箋のある赤漆箱が添っている。
  
 -  688赤漆藺欟木胡床(南67)
残材を集めて補造したもの。
 -  689屏風残欠 (南69)
一扇は鳥毛篆書屏風「唯行不易」の文を篆書と楷書と二様に表す。(119)の屏風と同断。一扇は鳥毛貼成文屏風で、「正直為心神明所祐、禍福無門唯人所召」とある。
 -  690い藺箱漆 (南73)
棕櫚を交える。
 
   南棚 
-  691赤漆八角床(南70-13)
 -  692鳥獣花背八角鏡(南70-13)
 -  693十二支八卦背円鏡(南70-13)
径60cmの大鏡。付属の六角杉箱は底に横木を渡し鉄の輪を着けて釣るのに便にしてある。
 -  694山水八卦背八角鏡(南70-1)
金銀の背、山水人物鳥獣八卦を、また双勾体で次の詩を現している。「そう影さ為客、孤鳴復幾春、初成昭たん鏡、遙憶畫眉人、舞鳳帰林近、盤龍渡海新、緘封待還日、被払鑑情心」。次号の箱が添う。
 -  695八角高麗錦鏡箱
 -  696平螺鈿背圓鏡(南70-2)
 -  697鳥獣花背圓鏡(南70-3)
漆皮箱が添っている。
 -  698鳥獣山水背圓鏡(南70-4)
 -  699漆金絵鏡箱
前号の鏡の箱
 -  700平螺鈿背圓鏡(南70-5)
獅子犀の図がある。次号の箱が付属する。
 -  701銀平脱鏡箱
 -  702黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(南70-5)
表は白銀、瑠璃鈿はいわゆる七宝である。相当反りがある。漆皮箱が添う。
 -  703鳥獣葡萄背圓鏡(南70-7)
白銅、鋳上がりは佳良。漆皮箱が添っている。
 -  704鳥獣葡萄背圓鏡(南70-8)
漆皮箱が添っている。
 -  705鳥獣葡萄背圓鏡(南70-9)
白銅で精良。子獅子が親獅子に戯れている。
 -  706鳥獣葡萄背圓鏡(南70-10)
白銅、鋳上がりは佳良。反りがある。方形の漆皮箱が添っている。
 -  707漫背圓鏡(南70-11)
鉄、反りがある。、次の箱が添っている。
 -  708漆金銀絵鏡箱
 -  709漫背圓鏡  九面(南70-14〜22)
 -  710漫背圓鏡  八面(南70-23〜30)
鈕に木綿の緒をつけたものがある。
 -  711葉紋背圓鏡(南70-31)
「長相思、母相忘、常貴官、楽未央」
 -  712鳥獣葡萄背圓鏡(南70-32)
 -  713花鳥背八角鏡(南70-33)
 -  714仙人花鈕背八角鏡 二面(南70-34,35)
 -  715花紋背六角鏡(南70-37)
 -  716花鈕背八角鏡(南70-38)
 
南 棚外
-  717箜篌残欠(南73)
和名百済琴。二種類の残欠である。復元模造がついている、
 
南 棚 上段
-  718伎楽面 一六四口(南1)
 
 
木彫131面、乾漆33面、文字のあるものを左に揚げる。
 
南 階下 中棚     
 -  719牙横笛(南111)
    (722)の牙尺八と対をなすものである。
 -  720斑竹横笛(南111)
「東大寺」の刻銘がある。
 -  721呉竹横笛(南111)
 -  722牙尺八(南110)
 -  723呉竹尺八(南110)
  一管、「東大寺」の銘がある。
 -  724呉竹笙(南109)
「東大寺」の刻銘がある。
 -  725仮斑竹ウ笙(南108,109)
  ウ笙とも壷とふきくちは銀平脱の花鳥人物畫。「東大寺」の刻銘がある。
 -  726呉竹ウ(南108)
壷は銀平脱の寶相華・迦陵頻迦等、吹き口も銀平脱の雲形等、刻銘「東大寺」。
 -  727螺鈿楓琵琶(南101)
楓材、素芳染、螺鈿の槽、捍撥に山の朝景色を背景に象に乗る胡人が、童子と鼓楽を楽しむ図がある。槽に「東大寺」と刻銘。
 -  728木画紫檀琵琶(南101)
槽に木画で纓絡尾長鳥を現し、捍撥に騎馬で狩猟し獲物を運び調理宴楽する図がある。
 -  729木画紫檀琵琶(南101)
木画小花文の槽。捍撥に山水古人の図があるがくろずんで判りにくい。
 -  730紫檀琵琶(南101)
捍撥には猛禽が兎を狙っている図がある。
 -  731紫檀金銀繪琵琶撥(南102)
 -  732檜和琴(南98)
六弦。面は金銀繪、頭部は紫檀螺鈿で飾り、金薄地山水繪の上に、タイマイを押し、黄金の界線を施す。磯(側面)は緑地と紅地を交互に配し山水鳥獣を描いたタイマイを押し、木画で界線を造っている。「東大寺」の木画銘。
 -  733磁鼓胴(南114)
緑・白・黄・褐の三彩ユウの陶製。細腰鼓。
 -  734漆鼓胴(南115)
二十二口。腰鼓。木地黒漆塗、一口はその上に彩繪を施したもの。
 -  735鼓皮残欠(南116)
彩繪花文があるもの、蘇芳染麻の締緒があるもの、鐵輪ばかりのものがある。
 -  736新羅琴残欠(南100)
 残弦わずかに残る。「東大寺」の刻銘がある。
 -  737桐木琴残欠(南99)
七弦楽器で、頭部の裏に転手七個をもつえび尾形のもの(780の内)が着く。
 -  739桑木阮咸(南125)
雑楽に用いたもので、捍撥は花形の中に松下囲碁の図が描いてあり、槽に「東大寺」の刻銘がある。袋は深緑あしぎぬで、「東大寺 納雑楽阮咸袋」と墨書。
 -  740武王大刀(南119)
唐楽のもので、刃二尺二寸一分(67cm)黒柿の把、漆鞘に密陀繪、ホ具は鉄。刀身に「武王」「東大寺」「天平勝寶四年四月九日」の刻銘。
 -  741破陣楽大刀(南119)
二口。唐楽のもので、一口は刃二尺二寸一分(67cm)黒柿の把、一口は刃二尺一寸九分(66.3cm)柿の把、ともに漆鞘に密陀繪、鐵作り。「破陣楽」「東大寺」「天平勝寶四年四月九日」の刻銘がある。白あしぎぬの大刀袋二口とも「東大寺 破陣楽大刀 天平勝寶四年四月九日」の墨書。
 -  742婆理大刀(南123)
度羅楽のもので、刃は木で白密陀塗、長一尺八寸一分(55cm)むく木の把、漆鞘に密陀をかけ、ホ具も木作。「東大寺」「婆理」の刻銘がある。白あしぎぬの袋に、「波理太刀」と墨書
 -  743楽ほこ(南117)
一枚は鐵刃で枝があり、木の枝の上端に環がある。一枚は木刃、三叉、漆塗、柄は欠失。
 -  744朴木金銀繪琴箱(南107)
蓋の甲と身の一側は新造。
 -  745鐵方馨残欠(南113)
方馨は縦長の鐵板十数枚を一具として、架にかけて使用する打楽器。今九枚を残す。
 -  746甘竹律(南112)
二口。笙である。二口分の残欠。一口は旧物七管、一口は九管、ともにヒサ木の帯。いずれか一口は献物帳の「甘竹笙一口、ヒサ木帯」にあたるものであろう。
 
南 北棚
 
-  747子日目利箒(南75)
二枚。目利はめとぎの借字であろう。紫皮の把、1枚は金糸で一枚は雑玉を貫いたもので其の上を巻き、箒の先は雑玉で飾ってあるので玉箒という。750の鋤と対になる。
 -  748粉地彩繪い几(南76)
  二枚
 -  749緑紗几覆及帯
几覆に「子日目利箒机覆 天平寶宇二年正月」の墨書がある。また帯に「子日目利箒机覆帯 天平寶宇二年正月」の墨書がある。
 -  750子日手辛鋤(南79)
 二口。刃は鉄漆塗、金銀の花き文、柄は粉地彩繪の木理「東大寺子日献 天平寶宇二年正月」の墨書がある。周漢の制に正月天子籍田を耕し、皇后蚕室を掃って蚕神を祭る儀式があるが、これが我国にも伝わって、正月初子の3日に行われた。この鋤と玉箒は、孝献天皇の天保寶宇二年758正月、初子の三日に用いられたもの、万葉集の「初春の初子の今日玉箒手に執るからにゆらぐ玉の緒」の一首はこの時大伴家持が詠んだものである。
 -  751彩繪佛像幡(南155)
黄あしぎぬ。身は四坪、坪ごとに菩薩像1体ずつを画く。
 -  752赤漆密陀繪雲兎櫃(南170)
樹木、花き、孔雀、雲等が画かれている。
 -  753赤漆櫃(南170)
 -  754榻足机(南173)
 七脚
 -  755檜墨絵花鳥櫃(南172)
白木の側面に墨絵、内面は墨塗である。
 
   南 西棚
-  756檜彩繪花鳥櫃(南171)
「公験辛櫃第一、勅書封戸庄園寺務修造符任奴婢温室」の刻銘がある。
 -  757漆花形皿(南40)
二十九枚。内五枚は朱金覆輪、裏は黒漆塗に彩繪があり四脚。他は黒漆塗で四脚。
 -  758漆小櫃(南169)
 -  759そう子(南167)
四十三具。錠前。
 -  760漆密陀繪雲鳥草櫃(南167)
 -  761漆密陀繪竜虎櫃(南168)
蓋表に雲と竜、側面に蔓草・怪獣・怪鳥を描く。外は黒漆、内は赤漆塗。
 -  762工匠具(南87-92)
二十一口、かんな五、鑢三、刀子二、錐1、打錐六、多賀ね四。
 -  763針(南84)
 二双三双。銀針、鉄針、各一双。別に銀針、鉄針、銅針各一双、三双とも題箋に長さ、重さ及び糸の長さを注記し、鉄針には二十四cmの赤糸が着いている。
 -  764緑麻紙針裏(南85)
「緑淡?糸一條、重二両二分大、鉄針一双」の墨書がある。前号の針は実用品とは思えない。七夕まつりに金針銀針をひさぎの葉は挿み、また色紙にさして織女星に供えて巧を祈るということが江家次第に見えているが、あるいはこれと関係があるものか。
 -  765金銀箸(南86)
 一双
 -  766和銅開珍(南93)
  十五枚
 -  767神功開寶(南94)
 -  768いえん(南151)
十帖。緑あしぎぬの縁、裏に紐を着け、例えば床木にくくり着けるに適する。
 -  769刻彫蓮花佛座(南161)
 二枚
 -  770漆佛龕扉(南159)
仏像六体ずつ十三段に貼ったもの。いま三十五体を存する。表は天部像。
 -  771漆佛龕扉(南158)
四扇。表は金銀泥で菩薩などを描き、内側に多数の金銅仏像を貼る。
 -  772佛像型(南153)
三枚。銅製陽刻の如来像
 -  773漆皮箱残欠(南175)
 三双
 -  774開眼縷(南82)
縹色の組紐で題箋に「開眼 一條 重一斤二両大 天平勝寶四年四月九日」とある。東大寺続要録、東大寺供養記に大仏開眼の時、墨を眼に点ずる筆に十二條の索を繋ぎ、参会の諸人に執らせ、共に結縁
開眼するの意を表したと伝える。
 -  775縷(南82)
白縷大小二條、赤縷一條、黄縷一條、雑色縷四條。(763)の鉄針一双はこの赤縷に所属。
 -  776綺の緒(南83)
幅約8mm平打ち
 -  777古裂類
 -  778いえんジョク心(南152)
三束
 -  779墨画佛像(南154)
 
 麻布に飛雲に乗るふ座の菩薩像を画く。
 
-  780楽器残欠(南177)
七弦楽器残欠((737)に付属)、琵琶転手、新羅琴櫛形、琴龍角、そう龍角と龍舌その他。
南 北棚 
 -  747子日目利箒(南75)
二枚。目利はめとぎの借字であろう。紫皮の把、1枚は金糸で一枚は雑玉を貫いたもので其の上を巻き、箒の先は雑玉で飾ってあるので玉箒という。750の鋤と対になる。
 -  748粉地彩繪い几(南76)
  二枚
 -  749緑紗几覆及帯
几覆に「子日目利箒机覆 天平寶宇二年正月」の墨書がある。また帯に「子日目利箒机覆帯 天平寶宇二年正月」の墨書がある。
 -  750子日手辛鋤(南79)
 二口。刃は鉄漆塗、金銀の花き文、柄は粉地彩繪の木理「東大寺子日献 天平寶宇二年正月」の墨書がある。周漢の制に正月天子籍田を耕し、皇后蚕室を掃って蚕神を祭る儀式があるが、これが我国にも伝わって、正月初子の3日に行われた。この鋤と玉箒は、孝献天皇の天保寶宇二年758正月、初子の三日に用いられたもの、万葉集の「初春の初子の今日玉箒手に執るからにゆらぐ玉の緒」の一首はこの時大伴家持が詠んだものである。
 -  751彩繪佛像幡(南155)
黄あしぎぬ。身は四坪、坪ごとに菩薩像1体ずつを画く。
 -  752赤漆密陀繪雲兎櫃(南170)
樹木、花卉、孔雀、雲等が画かれている。
 -  753赤漆櫃(南170)
 -  754トウ足机(南173)
 七脚
 -  755檜墨絵花鳥櫃(南172)
白木の側面に墨絵、内面は墨塗である。
 
南 南棚
-  781雑玉幡残欠(南157)
 二枚。種々の色の瑠璃玉を針線に通して編んだもので、形からは花籠かと疑われる。
 -  782金銅鈴(南164)
九口
 -  783鈴(南153)
百三十五口。鳥草雲山水の毛彫があるものがある。容器の底裏に「承和四年十月十日、勘定鈴数百口、預諸天連昨万呂」の墨書がある。
 -  784金銅杏葉裁文(南164)
十連。鈴鐸で飾り、瑠璃玉をはめたもの、ばん形の鎮を着けたものがある。
 -  785金銅杏葉裁文(南164)
硬玉、碧玉、瑪瑙の曲玉で飾ってある。
 -  786金銅幡(南156)
四條。頭部は花形、身部は四分し、葛形、亀甲形、木葉形、鳥雲形の裁文、毛彫を施し、蝶番で連ね、鈴と花形で飾っている。
 -  787金銅枚幡鎮鐸(南164)
十口。円筒形で舌に花形の飾りを着く。頂部に「一」「二」等の数字が刻まれ、九口に「東大寺幡鎮鐸 天平勝寶九歳五月二日」の刻銘、一口に墨書銘があるこの日は聖武天皇御一周忌に相当する。
 -  788金銅鎮鐸(南164)
 -  789金銅鎮鐸(南164)
八口。丸みを帯びた菱筒形。袈裟襷文の界、乳がある。舌の飾りは鈴を着けた花形。
 -  790金銅鳳形裁文(南163)
 -  791金銅雲形裁文(南162)
「高笠万呂作」「東大寺 天平勝寶四年四月九日」の刻銘がある。
 -  792漆金銀繪佛龕扉(南160)
四扇。長六角厨子の扉の残欠で、両面に金銀泥で佛・天部・人物・花き・樹木・岩等が描いてある。
 -  793古裂類
  
 -  794古裂塵芥(南176)
十二瓶