マカオ八大山人石濤書畫展覧会批評(2004/10/20)

至人無法-故宮上博珍藏八大石濤書畫精品展 in MACAU ART MUSEUM(-11/21)

MUSEUM URL: http://www.artmuseum.gov.mo/show.asp?prg_id=2004090301&language=1 10/16日 17:20-18:20, 10/17日 10:20-12:00, 14:00-18:20 の間鑑賞した。
総じていうと、事前の予想よりはよかった。webでイメージを事前にみていたときは、八大山人は、上海の画冊ぐらいで、石濤に 搜盡奇峰打草稿圖卷を筆頭に数点よいものがある、という印象だった。
八大山人では、3点は、私にとっては新しい発見の傑作である。初期の1666年作 伝si  墨花巻(No.2)、老筆の 蔬果圖卷 1699年作 (No.38) 、最盛期に近い猫石花卉圖卷である。いずれも北京故宮であることから、北京の八大山人はあまりふれる機会がなかったということだろう。八大山人のように筆墨の微妙な調子に表現の中心がある場合、図版だけでは、よほど精密な写真印刷でないと、判断は難しい。従って八大の場合、実物をみて初めてわかるということが多い。石濤では、 搜盡奇峰打草稿がやはり一番のようだ。もともと石濤は住友の黄山図巻を除いてそれほど好きではないので、やや2次的な見方になる。
 展覧会全体として、偽物・コピーが相当多く、真跡は2割、傑作は10点というところだろうか。
巻子はできるだけ長く題跋も含めて拡げてあるし、画冊も多くの頁、表装までみせようという努力が伺われありがたかった。照明もまずまず良い。

無料のカタログが中文と英文で1種づつ積み上げてあったのは、とてもありがたかった。 図版が小さく粗雑だとはとはいえ、全点ちゃんと記載解説してある優れ物である。
豪華版カタログにはかなり問題があり買わなかった。まず大きすぎ重すぎること。そして別送サービスもない。 第2に印刷が最良とはいえない。第3に、八大山人の場合、どうでもいいようなNG作品を大きく拡大していて 肝心の傑作が小さい図版である。 価格600Patakaは、大きさを考えるとそう高いとはいえないが、あまりに重い。


第一部:八大山人

第二部:石濤