飛天の足の裏

2000, Jan, 25

Fig.1 Fig.1

1949/1/26の朝、 火事によって法隆寺金堂壁画は ほとんど破壊された。しかし、20面の飛天壁画は修理のためとりはずして あったので、無事だった。 1999/9 に法隆寺を訪ねたとき、新装された大宝蔵殿で、額にはめられた1面を鑑賞 できた。ここにもあげたが、これは、20面のなかでも、保存が良いほうのようで ある。それに、20面ともほぼ同じ図である。

図版( 拡大図版 ) が不鮮明なので恐縮だが、よくみると、足の裏がかなり大きく、しわでできる 線まで細かく朱で描いてある。もっと良い図版は, 法隆寺金堂壁画 でみることができる。 さて、このボーイッシュな天人に似たものを、さがしてみる。 700-750年ごろの制作だと推定されている、長安、光宅寺の 浮き彫り 石仏(右図,東京国立博物館所蔵)をあげよう。丸い顔といい、長く流れるように のびる天衣といい、華をもる篭・盤をささげるしぐさといい、足の裏を精密に 描くところといい、そっくりである。 ( 拡大図版 ) 敦煌の初唐窟No.321をあげる論者もいるが、2人平行してるところ、姿勢 などにてるとろは多いが全体のスタイルはこの 光宅寺の 浮き彫り  ほど似ていない。 3尊

References

  1. 田中一松, 法隆寺金堂壁画, 平凡社, 1958
  2. 法隆寺・朝日新聞, 法隆寺金堂壁画, 朝日新聞社,1994

 


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