著色と着色
(2006/4追記)
小林堂さんから、ご教示を受けたのですが、どうも「着」自体が「著」の俗字のようです。その後、ずっと意味が分かれてしまったような感じです。
水墨画でない、絵の具を使った絵の解説に
「著色」という言葉がでてくることがあります。「着色」
とどうちがうのでしょうか?
どちらもチャクショクと読み、同じ意味のようです。「著色」は漢語林
のような小型の辞典にはでてきません。どうも美術関係の用語のようです。
用語の詮索は不毛な議論になり易いのですが、どちらが一般的なのか、
古いとこまで遡って、調べてみました。
中国では、設色、彩色、賦彩、淡彩が多くこの言い方は少ないようですが、
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安岐, 墨縁彙観, 叢書集成本影印, 天津古籍出版、ー> 着色
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台北故宮博物院, 故宮寶笈・名画1,2ー>着色
おっと着色が優勢かと思ったら、
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米フツ、画史、人々文庫の明刊本影印 ー>著色
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李佐賢, 書画鑑影, 1871年版の歴代帝王図巻の項、ー>著色
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唐岱, 絵事発微, 巾箱小品に所収ー>著色
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張庚, 國朝画徴録, 乾隆原刊本ー>著色
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孫承択, 庚子消夏録, 北京龍威閣版, 19世紀?ー>著色
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呆れたのでは、
芥子園画傳初集、(乾隆壬寅 書業堂)1782年版、です。ー>目次は著色、中の頁では着色
日本では、
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奈良国立博物館、平安仏画, 1986ー>著色
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大和文華館、高麗仏画, 1978 ー>著色
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三彩社、古美術, No96, 日本美術名品展特集, 1988 ー>着色
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飛鳥園、日本美術史資料、昭和11年ー>着色
どっちでもいいやあ、という感じですね。