岳飛にあてた宋皇帝の勅書

2014/NOV/17更新
2012/AUGUST/30更新(reiji Yamashina, 2000/6/2)

概要

焼失したとされた、 岳飛にあてた宋皇帝の勅書 の図版を紹介する。

賜岳飛宋高宗批答

画像をクリックすると拡大図版が別ウィンドウで提示されます。
賜岳飛 --
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賜岳飛 --

1950年代に、東京の台湾人古美術商、林朗庵が 出版した複製には重要なものが多い。
そのなかで、 岳飛にあてた南宋皇帝 高宗の書は、 満州国が崩壊し、ラストエンペラーコレクションが散逸したあと、日本に 流出したものである。 大陸の記録では、奉天で焼失したことになっている。 [ref. 楊 512p] もと清朝宮廷コレクションであり、官選目録「石キョウ寶笈三編」に 著禄されているが、宮廷に入ったのがかなり後だったせいか、三希堂法帖には収録されず、 台湾の蘭千山館:林柏寿氏(故人)の所蔵になり、その後相続人がもっていて、現在は故宮博物院に寄託されているらしい。 カラー図版もないので、 実物にあたって検証することはできない。
ただ、この南宋美術特別展に行った友人の話では、二点が並べて展示されていたそうだ。
http://www.npm.gov.tw/exh99/southernsong/index.html
いまだに、ろくな写真もネットにも本にもない。 重要なものだと思うので、モノクロ複製から制作した図版をあげておく。
岳飛にあてた南宋皇帝 高宗の書は、もう1通あって、こちらは 台北故宮博物院所に蔵され、「故宮法書」にも影印されている。 これと、形式がまったく同じ。書風も同じである。


  1. 故宮博物院, 故宮法書, 宋高宗呉説,
  2. 遼寧省博物館長;楊仁 カイ, 国寶[水冗]浮録, 上海人民美術出版社, 1991